Otemachi PLACE

menu

大手町プレイスを作ったキーパーソンに直撃インタビュー!②

Photo:Forward Stroke

2018年9月末に開業し、大手町プレイスも新たな年を迎えました。大手町駅からのアクセスも抜群でありながら、大手町最大規模のビジネスセンターを擁し、ビジネスパーソンで毎日にぎわっています。人・街・時をつなぐ場所をコンセプトに、大手町の新名所・オアシスとして、認知されつつあります。そこで今回も前回に引き続き、大手町プレイスのキーパーソン、NTT都市開発株式会社の吉川圭司さんに、大手町プレイスのこだわりや今後の発展について聞きました。


――大手町プレイスの空間デザインコンセプトについて教えてください。

大手町プレイスは、「人・街・時をつなぐ」というコンセプトを基にデザインを行いました。
最初の「人をつなぐ」という点では、オフィスロビーを3階にすることで、1、2階をセントラルプロムナードとして地域に開放し、人々の回遊性が高い共用部を実現しました。また低層部には、来訪者のみなさんが自由に利用できるポートスペースや緑豊かなサンクンガーデンといったリラックススペースを設け、近隣ビルのオフィスワーカーでも集える場を創出しています。 


――確かにビルを利用すると、「セントラルプロムナード」がとても印象的ですね。

そうですね。自由に通り抜けられ、各所にベンチや店舗を配置することで、滞在できる空間でありながら、大手町から神田・日本橋方面へ通り抜けられる、新たな歩行者空間となっています。


――「サンクンガーデン」はビジネスパーソンの憩いの場として定着していますね。

つづら折りの斜面に花木を配置し、広場・エスカレーター・階段などから見ると、四季によって異なる表情が感じられるように工夫しています。また、道路から少し低い場所を創ることで、都心でありながら囲われ感があり、落ち着きのある憩いの場を目指しました。


――「ウエストポート」もビジネスパーソンにとってうれしいスペースです。

いろいろなかたちでご利用いただいているようで、私たちもうれしいです。カウンター席からは1階の賑わいを感じられますし、落ち着いたラウンジ席、ワーカーの作業スペースなどさまざまなシーンでご利用いただけると思います。ウエスト棟に設置したウエストポートでは、長時間の滞在に適した落ち着きのある空間をダークブルーの色調で演出しています。


――2つめ以降のコンセプトはいかがですか?

「街をつなぐ」という点では、大手町・丸の内エリア、日本橋エリア、神田エリアに向けて、西・東・北のコーナーにエリアの入り口となるゲートプラザを設置しています。3つのゲートプラザをセントラルプロムナードで結ぶことで、自由に通り抜けられ、周辺の街がつながる空間を作りました。
最後の「時をつなぐ」という点では、元々この場所に建っていた「逓信ビル」がポイントです。逓信ビルの合理性を追求した設計や日本的な水平庇、真壁造りの外観、タイルなどを用いた手仕事感へのこだわり、素材の割付・プロポーションへの繊細な気遣いなどの設計思想を受け継いでいます。


――「水平庇」は逓信ビルの伝統を引き継いでいるのですね。

3、4階の高さにイースト・ウエスト棟に連続する庇を設け、風格ある彫りの深い外観を形成しています。また、上段の庇を大手町の街並みに共通する高さ20mラインに配置し、逓信建築の特徴である庇の先端には時間が経つと風合いが増すテラコッタタイルを採用しています。


――大手町プレイスはどのような人にどのように使ってもらいたいですか?

大手町プレイスには、公共空間のように気軽にご利用いただける共用部の場所がたくさんあります。周辺のビジネスパーソンや大手町を訪れる人にも使っていただきたいです。ちょっとした打合せ、気分を変えて仕事をしたいとき、次の移動までの時間つぶし、いつもと違うランチタイムなど、その時の気分に応じて使っていただけたらいいなと思います。


――共有スペースのイス、ソファはさまざまな素材やかたちのものが置かれています。こだわりを教えてください。

1階のセントラルプロムナードは、人の往来が多い場所であるため、内部と外部を一体的に演出し、空間を大らかに演出することを心掛けました。設置してあるテラコッタ製の楕円形のベンチも、通常は屋外で利用される素材ですが、内部と外部に連続して設置することで、一体的な空間を演出しています。ベンチの形状も内と外を繋ぐように楕円形の形状とし、設置する床の素材も内と外を連続させるなど、なるべく空間が広く大きく感じるような工夫を行っています。


――照明も間接照明が多く、大手町らしい大人な雰囲気です。何かイメージや狙いはあるのでしょうか?

低層部の照明については、色温度の低い暖色系の光で統一し、訪れた方を温かく迎える光環境としています。建物のエントランスは、ウェルカムマットのような光の演出を行い、行く先の壁面を明るく見せて動線を導くことで、人々の動きに沿った分かりやすい光の配置を心掛けました。
演出の中で重要な箇所の照明については、照明デザイナー・設計者・施工者と共に実物大のモックアップを作り、光の表情を確認しながら検討を進めました。


――今よりもっと活用してほしいと思う場所はありますか?

私たちの想像以上に、ご活用いただいているので、とてもありがたいと思っています。ぜひ、暖かい季節になったら、サンクンガーデンでランチや休憩をしていただき、緑を見ながらゆったりとした時間を過ごしていただければと思っています。

今回お話を伺った、NTT都市開発株式会社の吉川圭司さん

Access

「大手町プレイス」へのアクセス
  • 東京都千代田区大手町二丁目3番1号から2号
  • 東京メトロ大手町駅A5出口直結
  • JR東京駅丸の内北口徒歩7分