大手町・丸の内周辺には、さりげなくアート作品が置かれています。気に留めなければ見逃してしまいがちな公共空間に置かれたパブリック・アート。誰でも気軽に鑑賞することができ、街の雰囲気を楽しみながらアート散策にもぴったりです。そこで今回は、大手町プレイスとその周辺にある、チェックしておきたいパブリック・アートをご紹介します。
杉本博司《SUN DIAL》/大手町プレイス
大手町プレイスの1階オフィスエントランスに設置されているのが、大手町プレイスのシンボルともいえる、杉本博司《SUN DIAL》。杉本が手がけてきた、三次関数の数式を立体的に表現した数理模型シリーズのひとつです。高さ12メートルもの巨大な彫刻で、その名の通り日時計となり、春分・秋分の昼が等分された南中時のひと時を、影を通じて感じることができます。都内では、オーク表参道のエントランスにも同シリーズの作品が設置されています。
住所:東京都千代田区大手町2-3-1~2 1F西ゲート南
西野康造《宙(そら)に架かる》/大手町プレイス
大手町プレイス2階、オフィス空間とパブリック空間を結ぶ、吹き抜け空間に浮かぶ大きな円形の彫刻。これは、チタン、ステンレス、アルミニウム、鉄などの金属を素材に使用し、数多くのパブリック・アートを手がける西野康造の作品です。“空間に集う人々にとってのオアシスとなり、作品がおおらかに人々に寄り添うことを望む”という作家の思いが込められ、チタン合金製の緻密な計算による構造物で、自然界と宇宙の豊かな色彩を映すグラデーションの色の膜が施されています。1階レストラン横のエスカレーターを上がりながら、見上げて鑑賞するのがおすすめです。
住所:東京都千代田区大手町2-3-1~2 2Fセントラルプロムナード3
レアンドロ・エルリッヒ《Cloud》/飯野ビルディング
金沢21世紀美術館の常設作品《スイミング・プール》で知られるレアンドロ ・エルリッヒの作品がいつでも楽しめるのが飯野ビルディングの《Cloud》。「雲」をガラスに閉じ込めた「Cloud」シリーズのひとつで、10枚のガラスが重ねられています。「大海原に浮かぶ自由な雲」を表現し、LEDライトを内蔵しているので、昼だけでなく、夜もひと味違った表情を楽しめます。
住所:東京都千代田区内幸町2-1-1 1F

大手町プレイス2階の空間に設置された、西野康造《宙(そら)に架かる》

飯野ビルディングで鑑賞できる、レアンドロ・エルリッヒの《Cloud》