2021年2月14日に放送が始まるNHK大河ドラマ「青天を衝け」。大河ドラマ第60作の主人公は、新一万円札の顔として注目が集まる「渋沢栄一」です。渋沢栄一は、1867(慶応3)年に渡欧。ヨーロッパで、最先端の経済制度や科学技術を学び、帰国します。その後、生涯にかかわった企業は、日本初の銀行である第一国立銀行(現在のみずほ銀行)や東京証券取引所、東京ガス、帝国ホテル、キリンビールなど約500にものぼり、「近代日本経済の父」とも評されます。実は渋沢栄一と大手町周辺は、縁が深いことでも知られています。そこで今回は、大手町周辺で渋沢栄一の足跡をたどることができるスポットをご紹介します。
渋沢栄一像
大手町プレイスからもほど近い、常盤橋公園にあるのが、渋沢栄一の銅像です。戦争による金属回収で一度は撤去されましたが、1955(昭和30)年に再建されました。日本経済の父の名にふさわしく、日本銀行を背に立っているのもポイント。渋沢栄一は、22歳で上京し、岩本町のお玉ヶ池の玄武館で剣術修行をしていたことも。また、神田小川町裏神保小道に住んでいたこともあったといいます。
住所:東京都千代田区大手町2-7-2 常盤橋公園内(現在、閉鎖中)
法務省旧本館(赤れんが棟)
明治政府が近代国家としての体制を整えるため、西洋式の建築による官庁集中計画に着手。法務省旧本館はその一環として、1895年に竣工されました。設計をしたのは、ドイツ人建築士のヘルマン・エンデ氏とヴィルヘルム・ベックマン氏。19世紀のヨーロッパの「ネオバロック様式」を特徴としていますが、1945(昭和20)年の戦災で、れんが壁とれんが床を残して消失してしまいます。その後、1991(平成3)年に復原改修工事を開始。1994(平成6)年に創建当時の姿に復原され、国の重要文化財に指定されました。現在でも、旧本館は使用されています。
住所:東京都千代田区霞が関1-1-1 法務省赤れんが棟
第一国立銀行跡
1873(明治6)年に渋沢栄一が中心となって開業した「第一国立銀行」は、日本最初の近代的な銀行として知られています。現在は、みずほ銀行兜町支店のビル壁面に「銀行発祥の地」銘板が掲げられています。第一国立銀行開業後、兜町には日本で最初の株式取引所(現在の東京証券取引所)や企業が次々と設立され、日本経済の中心として発展していきました。
住所:東京都中央区日本橋兜町4-3

霞が関でも目をひく、れんが造りの法務省旧本館。国の重要文化財にも指定されている。

みずほ銀行兜町支店のビル壁面に掲げられている「銀行発祥の地」の銘板。